勝ち負けの基準
剣道は気剣体の一致した打突で、
定められた部位(打突部位)をとらえ、
尚且つ、残心のある技を一本とします。
試合では、一本か否かの判断は、
審判の判断に委ねられます。
しかし、一本を取った人が、
必ずしも強いとは限りません。
勝ち負けなんて、
どうでも良いとは言いません。
勝てるようになろうとして、
勝つために強くなろうとして、
身体を鍛え、技術を磨き、
自分自身を高めようとすることは
良いことだと思いますし、
大切なことだと思います。
勝敗を決する競技なので、
勝ち負けは必ず付いてきます。
もちろん、結果は
勝つか負けるかしかないのですが、
実際にはそれだけではなく、
勝つには勝ったけど、
何だか釈然としない勝ち方もあれば、
負けはしたけど、見事だった
と思える負け方もあります。
しかし、いくら見事に戦っても、
いくら惜しい負け方をしたとしても、
負けた者が何を言っても、
言い訳や負け惜しみになります。
理想は、しっかり稽古を積み、
しっかりと鍛え上げて、
誰もが見事だと認める内容で戦い、
それでいて、勝負にも勝つ。
「綺麗事だけでは勝てない。」
「理想と現実は違う。」
という人は沢山いると思います。
しかし、その理想こそが
私の中の勝ち負けの基準であり、
理想を捨てて勝っても
本当の勝ちとは思いません。
そのときの状況や場面で、
特に団体戦等では、
チームの勝ちを優先して、
理想を捨てるときもあります。
しかしそれは、私の中では
本当に勝ったのではなく、
ズルいことをしたような感覚になります。
そして、
次はそんなズルいことをしなくても
勝てるようになろうと、
また稽古に励むのです。
勝ち負けの基準は、
常に各々の自分の心の中にあり、
それを捨てなければいけない
状況や場面もありますが、
願わくば、
その理想を捨てずに戦えるだけの
力を付ける努力をして欲しいと思います。
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