見取り稽古

先日の稽古での出来事です。

平日、夜の社会人の稽古会に
普段、稽古でよく懸かりに来てくれる
若い人が来たのですが、
防具を担いでいません。

尋ねると、仕事が早く上がれたが、
防具を取りに帰る時間はない。
見学だけでもと思い、道場に来たそうです。

(流石だなぁ)と感心したのも束の間、
稽古している私の視界の隅に彼の姿が…
彼は、他の方々の稽古を見ながら、
その方々の足さばき等の動きを
道場の隅で真似してやってるのです。

彼からすれば、
何気ない行動だったかも知れません。

しかし、見学をただ見るだけで終わらせず、
何か一つでも吸収して帰ろうと
思う気持ちがあるからこそ、
その行動が自然に出るのだと思います。

剣道には「見取り稽古」
という稽古方法があります。

他の人の稽古を見て、自身を剣道を見直す。
足さばき、剣さばきは勿論のこと、
気勢、技前の攻め、誘いや崩し、…
他にも学ぶことは沢山あります。

「百聞は一見にしかず」
という言葉があります。
他人の行動や動きを見ることは、
その動きを100回説明されるより
理解しやすいのです。

しかし、ただ漠然と見ていても
自分のモノにはなりません。
それを自分のモノにしようと
思いながら見て、
そのためにどうすれば良いのかを考えて、
工夫して、行動しないといけないのです。

そして、それが彼の何気ない行動なのです。

私の個人的な意見になりますが、
この「彼」は、剣道が凄く上手です。
彼が上手なのは、ただ才能があるからとか、
そんな簡単なことではないのです。

ここまで言えば、
彼の何気ない行動の一つ一つが、
彼の剣道を上達させていることは、
皆さんも理解できるのではないでしょうか?

自身が面を被って稽古をしてるときでも、
他の人の稽古を見る機会は
多々あると思います。

そういう機会にどういった行動をとるか、
その一つ一つが、上達の近道になるのです。

上達したいという気持ちがあるからこそ
そういう行動ができるのか、
そういう行動をするから
上達するのが早いのか、
どちらが先で、どちらが後か、
それは人それぞれだと思います。

しかし、その行動と上達の早さは
間違いなく関係してるのです。

これは一例に過ぎませんが、
強くなりたい、上達したいと思うなら、
強くなれるための、上達するための行動を
普段から心掛けることが
大切なのではないでしょうか?

瓜破剣道会

大阪市平野区にある 剣道会です。 子どもから大人まで、みんなで元気に稽古に励んでいます。

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