放心と止心

心はどこにある?
自分の中にありますか?

答えはいいえです。
そんなものは体内に存在しません。
人間の身体の構造上、
心という物は、
目に見えて存在する物ではありません。

その事は、
みんなが知ってることだと思います。

心は動くのです。
だから、どこにあるかと聞かれても、
その時々で変わってしまうので、
答えることは難しいです。

具体的に説明すると、
何かを思うとき、心はそこに移動します。
相手を思うときは相手に、
自分のことを考えるときは自分の中に、
竹刀の先を意識しているときは
竹刀の先に…。
何かを意識したときに、意図せず心は、
そこに移動してしまうのです。

そして、その心が動くときに
心のない場所に隙ができて、
打たれてしまうのです。

ですから、どんな事にも動じないように、
心身を鍛える稽古をするのです。

この動かない心を"不動心"といいますが、
今回は、もう少し深い話をします。

"不動心"とは動かない心ですが、
似たような言葉に
"止心"という言葉があります。

"止心"とは、心が止まることです。
これは、不動心とは違い、
隙ができる原因になります。

動かないのではなく、
止まってしまっているわけですから、
そこ以外のところに
心がない状態になるからです。

"止心"と逆の言葉に
"放心"という言葉があります。

世間一般で"放心"というと、
ボーっとしてるという
イメージがあると思いますが、
剣道においての"放心"は少し違います。
心が放たれた状態を放心というのです。
放たれた心は、自由な状態になり、
相手の隙や、技など、
心があるべきところにある状態、
もっと言えば、
全てに心が行き届いている
という状態なのです。

少し難しい話をしましたが、
稽古の中で、また日常でも
心の在処というのを
コントロールできるように
鍛練していきましょう。

瓜破剣道会

大阪市平野区にある 剣道会です。 子どもから大人まで、みんなで元気に稽古に励んでいます。

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